勤務時間より早く帰らされる「早上がり」。早上がりさせられると給料が減るので困りますよね。
早上がりになるのは使えないってこと?
早上がりだと言われたら、自分が仕事できないせいではないか?と不安になるし、自信もなくなりますよね。
しかし、バイトで早上がりになるのはあなたに問題があるとは言えません。様々な理由から早上がりになることもあるのです。
そこで今回は「バイトで早上がりになる理由と対処法」をご紹介します。
よくバイトで早上がりになるという人は、今後どうしたら良いのか考えてみましょう。
バイトの早上がりは違法ではない
そもそも勤務時間が決定しているのに、早上がりさせるのは違法ではないか?と感じると思います。
しかし、結論から言えば早上がりは違法ではありません。
労働基準法第26条では、休業について以下のように定められています。
「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」
つまり、過去の平均賃金において6割の手当を支払っていれば、労働基準法には触れないということになります。
例えば、1日6時間働いて6000円(時給1000円)もらっていたとします。この6割ですから、3600円(約3時間36分)支払うことになっていれば問題ありません。
1時間~2時間の早上がりは問題なく、労働基準法に違反することもありません。
毎回早上がりをさせられると平均賃金も異なってくるし、労働契約にも反するため、違法性はありますが、そうでないのなら違法だと訴えるのは難しいです。
バイトで早上がりになる5つの理由
早上がりになるのはバイト先に悪意があるというよりも、明確な理由があって早上がりになるケースがほとんどです。
あなたに原因がある場合もあれば、バイト先に原因がある場合もあります。
どんな理由で早上がりになることがあのか見ていきましょう。
暇でやることがない
お客さんが少なく、暇でやることがない時は早上がりになることがあります。
お客さんが多い・少ないというのは時勢や天候なども影響するため、予測を誤ると人材過多になり、人手が余ってしまいます。
仕事がないのに従業員を働かせても人件費の無駄です。
そのため、個人の資質や能力に限らず、暇で仕事がない時は早上がりになりやすいです。
仕事ができない
何度指導されてもミスが減らなかったり、失敗ばかりしている人は早上がりさせられることがあります。
新人の頃だと大目に見てもらえても、いつまで経っても仕事ができないのでは「やる気がない」と思われて当然だからです。
そのため、反省を促す意味で早上がりさせるのです。
仕事ができないからといって、かんたんにクビになることはありませんが、イエローカードの状態です。いつ辞めてくれと言われるかわかりません。
バイトを辞めたくないのであれば、人よりも努力をして仕事を覚えることです。
ミスを減らし、与えられた仕事をきちんとこなすことで、早上がりさせられることはなくなるでしょう。
態度が悪い
仕事がデキる人でも勤務態度が悪いと早上がりさせられることがあります。
遅刻してきたり、ダラダラめんどくさそうに仕事をしていると、罰として早上がりさせられます。
また、見た目も重要です。派手な髪型をしていたり、制服の着方が悪いとだらしない印象を与えます。
接客業では店員が店の顔になるため、働く態度や身だしなみには特に厳しいです。
バイト中は真面目に取り組み、身だしなみを整えて、他人に不快感を与えていないか注意してください。
体調が悪そうに見える
明らかに辛そうな顔をしていたり、客観的に見て体調不良を感じられるという時は、早上がりさせられます。
シフトに穴を空けないために、責任感を持って働くのは大切なことですが、体調が悪いまま働かれてもバイト先は迷惑します。
仕事のパフォーマンスにも影響するし、風邪や感染症であれば、お客さんに感染ってしまうかもしれません。
体調が悪い時は素直に休み、早上がりを受け入れましょう。
業績不振
バイト先の業績が悪く、人件費削減目的で従業員を早上がりさせることがあります。
特に個人経営のバイト先だと、人件費が積み重なることで経営を圧迫してしまいます。
そのため、人手が足りなくても人件費を削減し、少しでも経営を楽にさせようとします。
早上がりになる回数が多くなってくるのは危険信号です。いずれ閉店(倒産)することも覚悟したほうがよいでしょう。
早上がりしたくない時の対処法
早上がりさせられると、お金のことは元より、精神的にも辛いです。「バイトに必要ない人」のような印象を受けるし、プライドも傷つきますよね。
できるだけ予定通りの時間をこなし、早上がりになることは避けたいはずです。
早上がりを言い渡されないためにはどうすれば良いのでしょうか?いくつか対処法をご紹介します。
意思を伝える
まずは「早上がりしたくない」という意思を伝えることが大切です。
早上がりするように言われても「もう少し働かせてください」と言えば、考え直してくれるかもしれません。
また、言葉だけでなく、自ら仕事を探して機敏に動きましょう。
普段やらない箇所の掃除をしたり、倉庫の整理をするなど探せばいくらでも仕事はあるはずです。
あなたから働きたい意思を感じ取れれば、早上がりさせられることはなくなります。
真面目に働く
失敗が多い人や勤務態度が原因で早上がりさせられている人は、仕事の取り組み方を変えましょう。
わからないことがあればすぐ先輩に相談し、できることから少しずつ改善してください。
どんなに仕事ができない人でも、真面目に働いていれば仕事に慣れて、できるようになってきます。
店長や上司に、あなたが一生懸命働いている姿を見せれば、使えない人材だと思われることはありません。
働く目的を伝えておく
バイトを早上がりさせられると収入が減ります。
親の扶養に入っている学生であれば、お小遣いが減る程度で済むかもしれませんが、生活費(または学費)のためにバイトをしている人なら、死活問題になります。
そこであらかじめ店長にバイトをする目的を伝えておきましょう。面接時だけでなく、常日頃から話題に出すのがポイントです。
学生なら「教材を買った」「資格試験にお金がかかる」、主婦なら「子供の塾代にお金がかかる」「親の介護でお金が必要」などと世間話で伝えておくのです。
そうすれば店長もあなたを早上がりさせようとは思わないでしょう。暇な時でも勤務させてくれるはずです。
人手不足のバイト先を選ぶ
人手不足で猫の手も借りたいほど忙しいバイト先である場合、早上がりさせられることはありません。
仕事ができなくて怒られることはありますが、途中で帰らせると成長することはないからです。
ただし、早上がりとは逆に残業させられることはあります。
誰かが休んだ時は休日出勤を要請されるし、何かと忙しい日々を送ることになるでしょう。
早上がりが続くようなら辞めた方が良い
早上がりになる理由は様々ありますが、あまりにも早上がりになることが続くようであれば、バイトを辞めた方が良いです。
特にあなたに落ち度がなく、真面目に働いているのに早上がりをお願いされるような状態は、健全な労働環境だと言えません。
ある日突然、バイト先が業績不振で倒産することもあるし、最悪の場合、給料をもらえない可能性もあります。
そこまで行かなくても、思うように働けないのであれば、バイト先をする価値はありません。
すんなり辞めて、他のバイト先を探すほうが賢明です。
掛け持ちして様子を見るのもあり
すぐに今のバイトを辞めると収入はゼロになります。新しいバイト先を探すまでお金に困るかもしれません。
それを回避するために、一旦早上がりを受け入れて掛け持ちできるバイト先を探すのもありです。
2つバイトをすることで、早上がりやシフトが減った分の収入を補うことができます。
掛け持ち先のバイトに慣れて、シフトを増やせるようになってから辞めるという方法もあるでしょう。
「早上がりになることがあるけど、辞めるほどではない」という職場であれば、バイトを掛け持ちすることも考えてみてください。
まとめ
バイトで早上がりになるのは、あなたに問題がある場合と、バイト先に問題がある場合があります。
どちらにしても早上がりは違法ではないため、バイト先の意向であれば受け入れるしかないでしょう。
できるだけ早上がりしたくないよね
早上がりになりたくないのであれば、まずは一生懸命働くことです。
早く仕事を覚えて店長やバイト仲間から信頼を得ることができれば、早上がりさせられることもなくなります。
ただし、あまりにも早上がりになることが多いのであれば、バイト先が危ないのかもしれません。業績不振で閉店するかもしれません。
突然バイトがなくなる前に、掛け持ち先を探したり、思い切って辞めることも考えた方が良いでしょう。