仕事内容
美術大学に在学していた頃、絵画のモデルのバイトをしました。
入学試験の時に「人物着彩」という、モデルを水彩やアクリル絵の具で描くという実技試験があるのですが、そのモデルを務めました。
他には大学の生涯学習講座で、女性モデルを使った油彩画の授業があったのですが、そこでもモデルを担当しました。
絵画モデルは、ヌード、セミヌード、コスチュームの3種類があり、露出度が大きい方が時給も高くなるのですが、私が担当したのはコスチュームのモデルでした。
応募のきっかけ
大学2年生の頃、学内でバイトの募集を知りました。
実技試験のバイトに関しては、他に試験監督補助のバイトもありましたが、時給の高かったモデルのバイトを選びました。
生涯学習講座のバイトでは、油画の研究室の先生に直接お声がけいただいました。
楽しかったこと
20分間ポーズをとって、そのあと10分休憩、というのを繰り返すのですが、休憩時間に入り控え室に移動する際、受験生の作品をさっと見渡すことができました。
描写力の違いはあれど、自分の姿があらゆる角度から様々な表情で描かれているのを見るのは、とても面白い体験だったと思います。
また、控え室にはお菓子や飲み物なども用意されており、他のモデルバイトの子と雑談をしたり、短い時間ながらもほっこりする時間を過ごしました。
思い出に残っていること
入学試験のバイトでは他にも何人かのモデルがいて、服装をある程度統一するために事前に指定がありました。
必ずスニーカーとジーンズを履いてくるように言われ、トップスは当日配布されました。その時に配られたのは、とあるブランドのカーキ色のタートルネックセーターでした。
独特の色味で自分には似合わないと思いましたし、他のモデルの方も似合っているとは思えませんでした。
店頭でも人気がなく、売れ残ったものを安く買ったのかな?と他のバイトの子たちと話していました。
このセーターは試験後に頂くことができたのですが、着こなすのが難しく、結局タンスにしまったままになってしまいました。
モデルの仕事は「ただ座っているだけ」の楽な仕事と思っていました。しかし、実際担当してみると、20分以上同じポーズでいるのは苦しく、くしゃみなどできないので意外にきつかったです。
バイトを体験して
美術大学でなければあまり体験できないバイトだと思うので、今思えば貴重な体験だったと感じます。
特に入学試験の絵画モデルは受験生の方々の真剣な眼差しが伝わってきて、自分自身の入学試験のときのことを思い出し、初心に返る思いがしました。
編集者のコメント:
自身がモデル側になることで、被写体の気持ちもわかり、描く方の勉強にもなったのではないでしょうか。独特な色味の服を渡された話も面白いですね。もしかしたら、あえて似合わない服を選び、受験生を試したのかな?とも感じました。