仕事内容
大学生の頃、夏休みになると地元埼玉県のプールで4年間監視員のアルバイトをしていました。
プールの監視員というと泳ぎが上手い人のようなイメージですが、実際には地元の高校生や大学生がほとんどで、その中でも自分はバイトリーダー的な巡視員という立場を任されていました。
朝出勤すると、下半身は各自好みの海パンや水着に着替え、上半身は作業着風の制服に着替えます。構内の点検をし、危険なものが落ちていないか?前日の忘れ物はないか?水中に何か落ちていないか?などを見ます。社員の人は水質検査などをしていました。
一通り点検が終わると朝礼をして、その日の担当エリアが決まります。そしてそれぞれの持ち場に移動します。
監視員は一周300メートルほどの流れるプールにある4ヶ所の監視台に配置されます。幼児用プール、ウオータースライダーに配置されることもあり、ベテラン社員と自分の2名が巡視員として全体を見回りながら、監視員との連絡役や体調管理などに当たります。
4ヶ所の監視台はそれぞれお客さんの動きがあって良いのですが、一番退屈なのがウオータースライダーです。着水プールから人が上がると次のお客さんに笛でスタートの合図を出すだけだからです。この作業を一日行います。
お客さんに注意することは、「走らない、飛び込まない、メガネや衣服を付けたまま水中に入らない」ことが主になります。田舎のプールなのでお客さんは小中学生がほとんどですし、ほのぼのとした雰囲気で一日が過ぎていきます。
1時間に1度、お客さんの休憩時間と水中点検を兼ねて10分間の休憩があります。その時に監視員は水中の点検という名目でプールに入って泳いだりしています。
ただしお盆の時期は気温も高く、たくさんの人が来場するので、水が生暖かくちょっと脂っぽい感じがしましたね。
監視をしながらゴミ箱が一杯になるのを見て、随時ごみを回収したりもしていました。そんな感じで一日が終わり、終礼をして解散となります。
応募のきっかけ
プールの管理者(鉄道と町の共同運営)と父が飲み仲間で、「バイト募集するんだけど夏休みに帰って来るんだっらウチで手伝って欲しい」と言われたことがきっかけです。そこから4年間、毎年その時期になるとバイトのお誘いがありました。
鉄道と役場の関係者がよく誘われていたようで、知り合いの息子さんや娘さん、またその友人といった縁故関係者の募集といった感じでした。
町の子供用プールみたいな感じですので、危険も少なく成り立っているといったところですね。自分の他にも大学生が2名ほどいましたが、あまり頼りになるタイプでもなかったので、逆にバイトリーダーに抜擢されたのかな?って思ったりもします。
楽しかったこと
監視員として色々なお客さんと話が出来たり仲良くなれたりしました。中学生くらいの「ファンだ」という子が出来て、ちょっとしたお土産を持って来てくれたりしたこともありました。ファンの女の子たちと映画を観に行ったり、その後、文通なんかもした時期もありました。
また、バイト仲間と終わった後に食事会をしたこともありました。大学生は社員の人たちに酒を飲みに連れて行ってもらったり、社会人としての話などをして勉強になりました。
しかし、個人的に誘われた社員さんと飲んだ時に、酒癖が悪い人でかなりしつこく説教されたこともありました。それも今となっては楽しい思い出です。
思い出に残っていること
よく女子高生から色々な相談を受けて話し相手になっていたら、かなり無理したのかな?ブランドもののハンカチを頂いたことがあります。
また、サングラスをしてプールに入っていた人に注意をしたら、揉めそうになったこともありました。しかし、自分は地元で怖い(?)と有名な大学の学生だったので、その旨を告げたら素直にお帰りになりました(笑)
都内から来た若いお姉さんが差し歯をプールに落としたらしく、なかなか見つからなかったので、連絡先を聞いて見つかったら渡すと伝えていたところ、プールの時期が終わった頃にやっと見つかりました。
夏休みも終わり東京に戻る時に、淡い期待をしつつ待ち合わせをしたところ、それを受け取りに来たのは・・・本人ではなくお母さんでした(苦笑)
プール監視員のバイトではこういった様々な体験をし、とても良い思い出になりました。
編集者のコメント:
プールだと色んな出会いがあると思いますが、ファンができたのも体験者さんが一生懸命仕事をしていたからではないでしょうか。とても魅力的なお兄さんに映ったように思います。体験者さんも含め、当時の利用者は“ひと夏の思い出”として今も心に残っているのではないでしょうか。