接客バイトでレジ対応をしている時に、急にお客さんから怒られたことはないでしょうか?
態度が悪いって言われた…
マニュアル通りに説明し丁寧に商品を扱っているのに、突然怒られるとびっくりしますよね。
一方的に言葉で責め立てられると怖いし泣きたくなる気持ち、よくわかります。
あまりにも酷いクレームを受けた時は、「もうバイトを辞めたい!」と思ったのではないでしょうか。
近年、レジ係が客から理不尽なクレームを受ける「レジハラ」が社会問題になっています。
レジハラを行う客のせいで業務に支障がでたり、バイトスタッフが辞めてしまう事態にも発展しています。
どうしてレジハラを行う客がいるのでしょうか?その理由を説明するとともに、レジハラ客に遭遇した時の対処法をご紹介します。
レジハラとは
レジハラとは、「レジ・ハラスメント」の略語になります。
客がレジ係の店員に対して難癖をつけたり、嫌がらせをするなどの迷惑行為を表す言葉です。
以前からレジハラを行う客はいましたが、2020年7月から始まった「レジ袋有料化」に伴い、顕在化されるようになりました。
レジ係が「レジ袋は有料ですが、お付けしますか?」と聞いたところ、「どうして金を取るんだ!」とか「このまま持って帰れというのか!」など、怒り出すのです。
暴言を吐かれるだけでも相当なストレスですが、中には暴力を振るう客もいます。その結果、警察沙汰になるケースもあるようです。
レジハラは年々増加傾向にあり、テレビやニュースでも取り上げられる事が多く、社会問題化しています。
レジハラが原因で接客バイトを避ける人も増えており、人手不足に悩む経営者の悩みのタネになっています。
なぜレジハラをする客がいるのか
そもそもなぜ店員に対してレジハラをする客がいるのでしょうか?
レジ袋が有料化されたり、新型コロナウィルスの影響もありますが、大きな要因として「価値観の違い」による部分が大きいです。
客の中には自分を神様だと捉え、絶対的な存在として店員に接してほしいと考える人がいます。
そればかりか、家庭や会社のストレスを店員にぶつけ、ストレス発散している人もいるのです。
店としても、少々嫌な人物でもお金を払ってくれる客を粗末にすることはできず、どうしても従ってしまうケースが多いです。
そのため、余計にレジハラ客を傲慢にさせる要因にもなっており、モラルの低下に拍車がかかっています。
よくあるレジハラ例
レジハラはレジ袋有料化に関することだけではありません。レジ袋が有料化される前から、様々な理由で店員にクレームをつける客がいます。
レジハラの内容は暴言を吐くものから、態度で示すものなど様々です。
ここではよくあるレジハラ例をご紹介しますので、遭遇した時は注意してください。
早くしろと急かされる
のんびり会計をしているわけではないのに「早くしろ!」と急かされ、怒られることがあります。
レジ対応をしている客だけでなく、レジに並んでいる客から文句を言われることもあります。
いくら早く会計をしたくてもレジ作業はある程度時間ががかかるため、どうしても待ち時間が発生します。
飲食店のピーク時や人気商品が発売された受付窓口などで、受ける機会が多いでしょう。
聞き返したら怒られた
領収書の作成やギフトを発送する時に、お客さんに宛名や住所を尋ねることがあります。
お客さんの言葉が聞こえないので聞き返したところ、「何度も言わせるな!」と怒られることがあります。
店内ではBGMが流れていることも多く、混雑していると雑音にまみれてお客さんの声が聞き取りにい場合があります。
お客さんの声が小さかったり、発音がわかりにくい場合もあるため、一回で正確に聞き取るのは難しいです。
代金を値切られる
会計時に「もっと安くならないか?まけてくれ!(値引きしてくれ)」と言われるケースです。
値札を見てレジに持ってきたはずなのに、値引きを要求するのは不当行為であり、対応できるはずがありません。
大手家電量販店など、値引き交渉が可能な店もありますが、基本的には店員の一存で値引きすることはできません。
断ると不機嫌になったり、何も買わずに出ていく客もいます。店員は怒られ損になるため、辛い思いをすることになるでしょう。
お金を投げるように置く
支払いの際にお金をトレーに投げるように置く客もいます。
新型コロナウィルスの影響もあって、直接店員に振れたくない気持ちもわかりますが、お金を投げつける必要はありません。
お金を投げつけられると床に落ちる可能性があるし、紛失してしまうかもしれません。
強く投げつけられると、小銭が顔や体に当たって怪我をする恐れもあります。
現金だけでなく、クレジットカードや電子マネーでも乱暴な扱い方をする客もいます。機械が故障する可能性があり、注意が必要です。
アダルト商品を見せつけてくる
成人誌やコンドームなど、アダルト商品を店員に見せつけて反応を確かめようとする客もいます。
特に女性店員が被害に遭いやすく、高校生や若く見える人が標的にされる傾向にあります。
ただ、アダルト商品は店で売っている以上、どうしようもありません。見たくないからと言って目を背けるわけにもいかず、黙って会計するしか無いでしょう。
レジハラだけでなく、セクハラにもあたり、身の恐怖を感じる人も少なくないです。
無視される
若年層を中心に店員とコミュニケーションを取りたくないという客も多くなりました。
レジ袋や駐車券が必要か聞いても無視したり、黙ったままスマートフォンをいじり、店員と関わろうとしません。
しかし、何も言ってこないからとそのまま会計を済ませると、後から「レジ袋が必要です!」と言われたりします。
聞いても無視されるし、聞かなかったら怒られるため、どう接客したら良いか難しいです。
レジハラを受けた時の対処法
実際に接客バイトでレジハラを受けた時はどうすればいいのでしょうか?
怒られ続けるのは辛いし、クレーム中は周りの目も気になりますよね。できることなら穏便に済ませて、レジハラ客には早く帰ってもらいたいものです。
そこでレジハラを受けた際の対処法をご紹介します。レジハラに悩んでいる方は、ぜひお試しください。
諦めるまで謝罪する
レジ対応で文句を言われた時は、とりあえず謝罪するようにしてください。自分は悪くないからと言って、反論したり、ムスッとした表情をしてはいけません。
客の言い分に納得がいかなくても「申し訳ありませんでした」と、素直に謝罪することが大切です。
あなたが真摯に謝る姿を見せ続けることで、いつしかお客さんの怒りも収まってきます。言いたいことを言えれば帰っていく客も多いです。
ただし、謝罪はしても相手の言い分を認めてはいけません。あなたやお店に落ち度がないのに認めてしまうと不利益を被ります。
もし、「責任を取れ!」「弁償しろ!」と言われても素直に従ってはいけません。謝罪だけを続け、相手の怒りが収まるまで待ちましょう。
責任者を呼ぶ
いくら謝罪してもそれで済まない場合があります。延々とクレームを言ってくる客もいるでしょう。
長時間クレームを受け続けるのは苦痛であり、精神も疲弊します。他のお客さんへの印象もあるため、長引きそうな時は店長や上司など、責任者を呼びましょう。
特に中高年や年配者は若い店員の話を聞かない傾向にあります。あなたが対応し続けるよりも、責任者を呼んで対応してもらうほうが早いです。
ただし、責任者を呼びに行くと「逃げた」と思われる可能性があります。余計事態が悪化するかもしれません。
そのため、できるだけ他のスタッフに呼んできてもらってください。
責任者がきたら指示があるまでその場に留まり、謝罪の姿勢を見せ続けましょう。よほどのことがない限り、責任者が来て話をすれば事態は収まります。
連絡先を聞く
責任者が店に居ない時は、客に連絡先を聞いて後から謝罪すると伝えましょう。
心底自分が正しい思っている人は連絡先を教えてきますが、大半のレジハラ客は教えてこないまま帰ります。
なぜなら、レジハラ客は一時的な憂さ晴らしでクレームを言っているのであって、個人情報を教えてまで謝罪を受けたいと思ってないからです。
そのため、連絡先を聞いても「もういい!」などといって帰ることが多く、その場を収める効果があります。
もし、実際に謝罪することになったとしても、時間が経てば怒りも収まります。客も落ち着いて話ができるようになっており、大事にはなりづらいです。
バイト内で情報共有する
レジハラをする客の中には愉快犯もいます。日々のストレスを店員にぶつけ、憂さ晴らしをしているのです。
そういった客は何度も同じようなクレームをする傾向があります。たとえあなたがその場をやり過ごしたとしても、他の店員が同じような被害を受けるかもしれません。
もし、あなたがレジハラを受けた時は、レジハラ客の特徴(性別、年代、身長、持ち物など)をメモしておき、バイト内で情報共有してください。
防犯カメラを確認することができれば、相手の顔写真を撮って“要注意人物”としてバックヤードに貼っておきましょう。
そうすればレジハラ客が来店した時にみんなで監視することができます。
誰かがレジハラを受けた時もみんなでフォローし、迅速に対応することができるでしょう。
袋詰めを手伝う
レジ袋が有料化されてから、商品の袋詰めを店員が行うのではなく、客自ら行うお店(コンビニやドラッグストアなど)も増えてきました。
しかし、お年寄りや慣れない方にとって袋詰めは時間がかかります。袋詰めに手間取ることで、後ろに並ぶ客から文句を言われることもあります。
そんな時は「袋詰めを行いますので、お会計をお願いします」といって、あなたが代わりに袋詰めを行いましょう。
レジの混み具合を見て臨機応変に対応することで、クレームを最小限に抑えることができます。
悪質なものは法律違反になる
レジハラの中にはとても悪質で法律に違反するような行為もあります。
例えば、大声を上げて怒鳴ったりレジやカウンターを叩くなどの行為は「威力業務妨害罪」または「暴行罪」にあたります。
不備がないのに慰謝料を要求する行為は「恐喝罪」にあたるし、店員に土下座を求める行為は「強要罪」にあたります。
実際に法的手段を取るかは責任者次第であるため、我慢してやり過ごす店が大半です。
しかし、何度も来店して繰り返し嫌がらせ行為をする客もおり、法的手段を考えなくてはいけない場合もあります。
悪質な客は自身の行為が犯罪に当たると思っていません。あまりに酷いようであれば、店長と相談し、警察に通報しましょう。
まとめ
レジはお客さんと関わる部分が多いため、どうしてもクレームを受けやすい場所でもあります。
もし、レジハラを受けてもパニックになってはいけません。深呼吸をして、落ち着いて対応しましょう。
怖いけど頑張って対応します
たとえレジハラを受けても感情的になって反論してはいけません。火に油を注ぐ行為になり、余計に怒りを買うことになるでしょう。
逃げ出したくなっても我慢してその場に留まり、お客さんの言い分を最後まで聞きましょう。
謝るべきところは謝り、誠心誠意お客さん寄り添う態度を見せれば、大きな事態に発展することはありません。
困った時は自分一人で対応しようとせず、店長やバイト仲間の力を借り、みんなで対応するようにしてください。
クレーム対応が上手くいけばチームワークも深まり、あなたの評価も上がります。どんな仕事をしても頑張れるようになるでしょう。