仕事内容
主に3つの役割分担がありました。
1つ目は、展示室入口でチケットもぎりです。有効なチケットか、確認してもぎり、注意事項や順路を伝えます。
外国人のお客さまが多い美術館だったので、英語での案内は丸覚えして話していました。
もぎったチケットの半券は券種ごとに分けて保管し、ある程度たまったら枚数を集計をします。
お客さまから周辺の観光地などの質問をされることもあって、周辺マップを手元に置いていました。
2つ目は、展示室内の監視です。お客さまの邪魔にならないようにしながら、展示物に触れていないかや、写真撮影がないかなどを見回ります。
ガラスケースは、お客様が触ると指紋がついてしまうので、定期的に拭き掃除をしていました。
3つ目は、インカムをつけるポジションです。その階のリーダー的ポジションです。他の階と落し物やお客さまの情報などを連絡し合います。
比較的動き回れるポジションのため、アンケートボックスから用紙を回収したり、チラシラックの補充もします。
勤務時間や休憩について
私が働いていた美術館は、開館時間が9:30~17:30でした。
勤務時間は9:25~17:30、または遅番で11:00~17:30となり、日によって違いました。
お昼ご飯はローテーションで45分ずつもらえます。食事休憩以外に、お手洗い休憩が10分ほどありました。
人によって週何日勤務するか違いますが、私は週に3日ほど働いていました。
応募のきっかけ
小さい頃から音楽や美術が好きだったからです。美術館で働いてみたいという夢がありました。
コンサートホールや美術館でお客さま案内のバイト募集があり、応募しました。
初めはコンサートホールで働いていましたが、人手が足りないとのことで、運よく美術館で働くことができました。
楽しかったこと
美術が好きなスタッフが多く、皆さん優しくてユニークな方ばかりだったので、職場に行くことが楽しみでした。
客として美術館に行くと、限られた数時間で見て終わりです。しかし、働くことで展示物について色々な知識を得たり、お客さまとの会話で知ることも多かったです。
職場環境としても静かで落ち着いているため、穏やかな気持ちで働くことができました。
お昼休憩は他の階のスタッフと一緒に取るので、お話したりして、リラックスできました。
思い出に残っていること
これまでにしたバイトは忙しいものばかりでした。先輩に自ら聞きに行って教えてもらわないといけないため、日々緊張していました。
しかし、美術館は違いました。初日に先輩が展示物についてよく聞かれることをまとめた手書きの紙をくださり、感動したのを覚えています。
スタッフの雰囲気が良いとお客さまにも伝わるのか、明るい雰囲気の職場でした。
ちなみに私が働いていた美術館は、外国人のお客さまが多かったです。
「big wave(北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」)」を目当てに来られるようで、熱心に写真撮影している方もいました。
バイトを体験して
好きなものに囲まれて、楽しい仲間に恵まれて、とても良い環境で働くことができました。
バイトであれば美術を専門に学んでいなくても、少しずつ知識を付けていけば大丈夫です。実際に美術の知識がほとんどなく、働き始めたという方もいました。
また、体力的にもそれほど疲れないので、長く働ける場所だと思います。
今は美術館系の仕事はしていませんが、月に1~2回美術館に行くのが趣味になり、インスピレーションを受けたり、学ぶことが増えました。
編集者のコメント:
インタビュー時にとても熱心に美術館の仕事を語ってくれた体験者さん。紹介しきれないぐらいのお話を頂き、本当に美術館の仕事が好きなんだなと感じました。体験者さんがこのように熱意を込めて体験談を語れるのも、良き先輩に恵まれ、楽しい職場環境だからこそですね。