接客では元気よく声を出すことが大切ですが、人前で大きな声を出すのは大変ですよね。
声が通らないって言われる…
自分ではがんばって声を出ししているつもりでも、「声が小さい!」とか「元気がない!」と怒られている人もいるでしょう。
いつも声出しで怒られると、声を出すことが怖くなってしまう気持ち、よくわかります。
できることなら、みんなと同じように通る声で発声して、怒られないようになりたいですよね。
実は、声出しは難しいことではありません。体格や声質に関係なく、ほんの少しコツを覚えるだけで誰でも上手く発声することができるようになります。
いつも声が通らないと怒られている人は、声の出し方を見直してみましょう。
1)声を出すタイミングを変える
お客さんが来店すると一斉に「いらっしゃいませ」と声を出しますが、みんなと同じタイミングで声を発することで、声と声がぶつかり、聞こえづらくなります。
どうしても音量がでかい人の方が勝ってしまうため、声が低い人や大きな声を出せない人は怒られる原因になります。
そこで試してほしいのが「声を出すタイミングを変える」ということです。
誰かが「いらっしゃいませ」と発したら、2、3秒待ってから「いらっしゃいませ」と言ってください。
近くに同僚がいる時は、同僚が言ったのを確認してから発声しても構いません。
タイミングをずらすことで声が被らなくなるため、あなたの声も通りやすくなります。
2)相手の方向を見て声を出す
声出しする時は必ず相手の方向を見て声を出すようにしてください。
飲食店や小売店ではお客さんがお帰りになる時に「ありがとうございました」と言いますが、出口と反対側を向いて言っても声は通りません。
逆にお客さんの方向を向いて声を出していれば、少々声が小さくてもきちんと挨拶していると受け取ってもらえます。
同様に、品出しや掃除などで屈んでいると声が届きにくくなります。声が下の方に向かっているので、声の通りが悪いです。
お客さんにまた来店してもらうためにも、立ち上がってお客さんの方向を見ながら声出しするようにしてください。
3)お腹に力を入れて声を出す
普段から声が小さいという人は、発声方法に問題があるかもしれません。喉から無理に声を出しても、声の通りは悪くなるばかりです。
声を出す時は、お腹に力を入れてから発声する“腹式呼吸”を意識してください。
軽く深呼吸して空気を吸い込んだら、吐き出す時に声を発声するイメージです。
腹式呼吸がよくわからないという人は、声を出す前にお腹(おへその下)に手を当ててください。お腹がピクッと動いていれば腹式呼吸ができています。
腹式呼吸を意識しながら声を発声することで、いつもより大きな声を出せるようになります。
4)頭のてっぺんを意識する
男性は女性と比べて声が低いため、どうしても聞き取りづらくなります。
高い声を出そうと意識するあまり、裏声になり、恥をかいた経験がある人もいるのではないでしょうか。
裏声までいかなくても、少し音程を高くすることで声は聞き取りやすくなります。
そこでお試しいただきたいのが、頭のてっぺんを意識しながら発声するということです。
声が脳天から上に発せられるイメージです。
つむじの部分を意識しながら「いらっしゃいませ~」と言ってみてください。いつもより声が高くなったのではないでしょうか?
顔を上げて、目線を上向きに発声するのも有効です。下を向くよりも高い声が出しやすくなります。
5)言葉を短く区切る
言葉は長ければ長いほど声の通りは悪くなり、小さくなってしまいます。
「いらっしゃいませ」ぐらいの短い言葉なら聞き取れても、「○○キャンペーンはじめてます。いかがでしょうか」のように長くなると、小さくなってしまいます。
長めの声掛けが必要な時は、「○○キャンペーンはじめてます」「いかがでしょうか」のように、言葉を区切って発声してください。
更に短くして「○○キャンペーン」「はじめてます」「いかがでしょうか」のようにしても良いです。
最初はロボットみたいでおかしく感じるかもしれませんが、声が通らないよりはマシです。
区切る箇所がわからない時は、息継ぎを意識しましょう。息継ぎしやすい部分で区切ることで、ハッキリと発音できるようになります。
6)最初の言葉を強く発声する
言葉を発声する時は最初の言葉(頭文字)を意識してください。
たとえば「いらっしゃいませ」であれば、最初の「い」を強くしましょう。「ありがとうございました」であれば、「あ」を強くしてください。
文字で表すと「い↑らっしゃいませ」といったイメージです。最初の言葉を強く発声することで、声が通りやすくなります。
逆に強弱や抑揚を付けずに平坦な発声をすると、声が聞き取りづらくなります。
心を込めて言ったつもりでも、強弱がないことでやる気が無いように感じるし、相手の印象を損ねてしまいます。
強弱をつけながら話すと聞き取りやすくなるため、普段から意識するようにしてください。
7)喉をケアする
声の大きさは体調にも影響します。喉が乾燥していたり、イガイガしている状態だと声がこもって通りが悪くなってしまいます。
特に冬場は湿度が低く、喉が乾燥しやすいため、声が出にくくなります。
喉の調子がおかしいと思ったら、のど飴を舐めたり、うがいをするなどして喉をケアしてください。
バイト先で水分補給が許されているのであれば、少しぬるめの水を飲みましょう。冷たい水だと喉を固くしてしまうので良くありません。
また、寝室がホコリっぽかったり、湿度が低いと起きた時に喉の調子が悪くなります。
部屋の掃除をして、乾燥防止のために加湿器や濡れタオルを吊るすなど工夫してください。
普段から喉のケアをしていれば、バイト中も声を出しやすくなります。
笑顔で声出しをしよう
声出しするのは恥ずかしいからと言って、暗い表情のまま声出しをしていませんか?
暗い表情のまま発声しても大きな声は出ないし、声も通りません。声が届かないばかりか、「やる気がない」と思われてしまいます。
接客で声出しをする時は、笑顔を作って明るい表情で声出しをしてください。
「笑顔になるのが苦手」という人は、人差し指と親指で口の左右から上に少し上げてください。そうすれば口角が上がって笑顔が作れるようになります。
最初は不自然に見えるかもしれませんが、繰り返し意識することで慣れてきます。
笑顔が作れるようになれば、自然と声も出るようになり、声の通りも良くなります。
恥ずかしいかもしれませんが、仕事だと割り切って営業スマイルを作ってみましょう。
自宅でできる!かんたん練習法
いくら声を出すコツが分かっても、普段から練習しておかないとバイトで出すことはできません。
だからといって家で練習するのは恥ずかしいし、わざわざカラオケボックスに行くのも嫌ですよね。
そこでおすすめなのが「お風呂場での発声練習」です。
お風呂場なら防音空間でもあるため、多少大きな声を出しても近所迷惑にはなりません。お湯を流していると声をかき消してくれるため、何を言っているか誤魔化せます。
※ただし、立地条件によっては丸聞こえなこともあるため、音量には注意してください。
お風呂場は蒸気が漂っているため、喉を潤してくれます。湯船に浸かりながら発声練習をすると、声が反響してイイ感じに聞こえてくるでしょう。
お風呂で歌を歌う感覚で挨拶の練習や声出しの練習をしてみてください。毎日練習することで、少しずつ声が出るようになります。
まとめ
声が通るためのポイント・コツをご紹介しました。どれも手軽にできるため、始めやすいのではないでしょうか。
声出しのタイミングをズラすのはすぐできそう
声が通る・通らないというのも、慣れの問題です。バイトで何度も声出しをしていると、自然に声は出るようになります。
腹式呼吸を意識して、言葉に強弱をつけ、長い言葉は短くして発声するなど工夫することで、声は通りやすくなるでしょう。
最初は緊張するかもしれませんが、声を出すのも仕事だと割り切り、恥ずかしがらずに思い切り声を出してみましょう。
遠くにいる友達に話しかけるようなイメージで声出しすると、上手く通ります。