仕事内容
イベント会場などでの巡回や、車・人の流れの整理などが主な仕事でした。
イベントなどでの警備業務を「雑踏警備(ざっとうけいび)」というのですが、各自あらかじめ決められた配置につき、上司から無線で指示を受けながら誘導や監視を行います。
派遣される現場は大規模な花火大会や初詣シーズンの神社から、1時間に1台来るか来ないかの駐車場まで様々でした。
警備員というと格好も含め警察官に近い業務のようなイメージですが、実際は本当に地味な仕事で、道を聞かれて案内したりその場で立って誘導監視をするだけで1日が終わることがほとんどでした。現場によって忙しさは変わりましたね。
応募したきっかけ
警備員のバイトをはじめたのは、部活の先輩から誘われたのがきっかけです。後輩や同期などと10人くらいで一緒に始めました。そういった流れだったので、仕事に対する不安とか怖いとかは特に何も考えずに始めました。
楽しかったこと
警備員しか入れない場所に入っていくことができ、様々な祭り事の裏側を知れたのが非常に楽しかったです。
また、他のバイトよりも休憩をしっかり取らせてくれたり、食事だけでなく飲み物などの差し入れが充実しているなど、すごく手厚かった点も嬉しかったです。
思い出に残っていること
正月の三が日で賑わう関西有数の神社で賽銭箱の監視を行った時のことです。初詣客は数100メートル後ろから8列に整理され、順番にお参りを行っていきます。
私ともう1人の警備スタッフが配置され、大きな賽銭箱の両端に立って、怪しい動きをする人物がいないか見張ります。投げ入れられるお賽銭は大抵が小銭なのですが、中にはお札を入れる方もいました。
あるお客さまが投げ入れたお札が箱の淵に引っかかりました。その数分後、ある男性がそのお札を手に取りポケットにしまってしまいました。なんと賽銭泥棒の現場に遭遇したのです。
反対側のスタッフとその現場を目視したことを無線で確認し合い、私がその方を確保しに行くことになりました。
特に走って逃げる様子もなかったその男性に「賽銭箱のお札を取られましたよね?」と確認したところ、「すみませんでした。もうしません。」と言われ、すぐにそのお札を渡してきました。
そこからはあっという間で、上司から指示を受けて警察に引き渡して持ち場に戻りました。あっという間の出来事でしたが、心臓がすごくドキドキしていたのを覚えています。
編集者のコメント:
「警備のバイトは身の危険を感じる不安はありませんでしたか?」と訪ねたところ、特に気にしなかったとのこと。基本的には危険を感じるケースは少ないそうですが、賽銭泥棒のお話のように人が多い現場では何が起きるか分かりません。警備のバイトをしたことで、責任感が生まれ、人を見る目を養われたように思います。