バイトを辞める時に「籍だけ残す」と言われたことはないでしょうか?
籍だけ残すって意味あるの?
もう辞めるんだから、バイト先に籍を残しても意味がないと思いますよね。
それに籍を残すと言われたら、何か利用されるのではないか?損するのではないか?と思う気持ち、わかります。
実は、バイト先に籍を残すからといって、損するとは限りません。そればかりか、籍を残した方が良い場合もあるのです。
そこで今回は「バイトで籍だけ残すメリット・デメリット」について解説します。
籍だけ残す意味がよくわからないという人は、どうすれば良いか見ていきましょう。
バイトで「籍だけ残す」とは
バイト先から「籍だけ残す」と言われても、いまいちピンとこない人もいるのではないでしょうか。
「籍を残す」「籍を置く」というのは、ある組織に対して在籍していること示す表現です。
バイトの場合、辞めた後でもお店や会社の一員として在籍してもらうために、「籍だけ残す(残して)」と言われることがあります。
ただし、籍を残すからと言って、契約書のようなものを結ぶわけではありません。
「また来ていいからね」というような別れの挨拶と同義であることが多く、部活で言うと幽霊部員と一緒です。
そのため、バイト先から籍だけ残すと言われても、形だけで言われていることが多いです。
籍だけ残すと言われる理由
バイト先が辞める人に対して「籍だけ残す」というのには理由があります。それは「また働いてもらいたいから」です。
人が辞めると改めて雇用するために求人を出したり、面接したりなどコストがかかります。
人手不足になりやすい時期・なりにくい時期もあるし、人が辞めたからといって即採用活動をすることはできません。
しかし、辞める人の籍を残しておけば、いつでも復帰してもらうことができます。
新人と違い、一から仕事を教える必要もないし、即戦力として期待できます。ブランクがあっても、すぐ思い出すことができるでしょう。
このように、万が一の人材不足を補うために退職者と完全に縁を切るのではなく、「籍だけ残す」として、在籍扱いにするのです。
バイト先に籍だけ残すメリット
それでは実際に籍を残したらどんなメリットがあるのか見ていきましょう。
復帰しやすい
バイト先に問題はなく、学業や家庭の事情で辞めることになったのであれば、また働きたいと思うことがあります。
一度辞めたバイト先に復帰するのはなかなか難しいですが、籍を残していると復帰しやすいです。
店長に「また復帰させてください」と連絡すれば、次のシフトから働かせてもらえます。
バイト仲間からも「来週から○○さんが復帰する」と認識してもらえるため、職場復帰しやすいのではないでしょうか。
籍を残すことで、バイト探しをすることなく働けます。復帰を視野に入れている人は籍を残して辞めるのもありです。
相談に乗ってもらえる
バイトを辞めるとバイト仲間と関わりがなくなります。
いつも他愛のないことを話していた同僚、勉強の相談に乗ってくれた先輩、社会人としてのイロハを教えてくれた店長、などなど。
良好な人間関係であればあるほど、バイトでの繋がりが失われるのは寂しく感じるでしょう。
しかし、バイト先に籍を残すことで今後もバイト先と関わることはできます。
困ったことがあれば相談に乗ってもらえるし、コミュニケーションを取ることができます。グループLINEも解除する必要はありません。
たとえ働くことはなくても、籍を残していることで気軽にバイト先に行くことができます。人間関係を継続しやすいと言えるでしょう。
正社員に誘われやすい
籍だけ残してバイト先との関係を継続しておくことで、正社員に誘われることがあります。
なぜなら、籍だけ残すと言われる人は、バイト先でも優秀な人だと認識されているからです。
就活時期に正社員に誘われたり、親会社に推薦してもらえるかもしれません。
正社員になることで待遇が上がるし、大手企業であれば将来も安泰です。キャリアアップのチャンスもあります。
正社員登用制度を採用しているバイト先であれば、念の為に籍を残して辞めるのも良いでしょう。
バイト先に籍だけ残すデメリット
バイト先に籍を残すのは良いことばかりではありません。もちろんデメリットもあります。
関係が切れない
人間関係や職場環境が原因でバイトを辞めた人は、籍を残してしまうことで関係が切れなくなります。
人手が足りない時や忘年会・新年会の誘いなど、何かにつけて呼び出される可能性があります。
いつバイト先から連絡があるかもしれないと思うことで、ストレスの原因にもなります。何のために辞めたのかわからなくなるでしょう。
バイト先と関係を切りたいのであれば、籍を残すことなく辞めるようにしてください。
新しいバイトを始めづらい
バイト先に籍を残すことで、新しいバイトを始めづらくなります。
いつ連絡が来るかわからないし、新しいバイトをしている最中に呼び出されても困ります。
もちろん、形上は退職しているので新しいバイトをしても良いのですが、籍を残している手前、二股のような感覚になり、気になる人もいるでしょう。
新しいバイト先からもよく思われないし、それが原因で採用されないかもしれません。
もし、他のバイトをするつもりであれば、籍を残さずに辞めたほうが良いです。
各種手続きが面倒になる
中途半端に籍を残すことで、確定申告や税金の手続きがややこしくなります。
例えば、年末調整の時期に辞めたバイト先に在籍したままだと、年末調整はその会社でしてもらうことになります。
新しいバイトをして掛け持ち状態になることで、所得税の考え方も変わるし、扶養控除申告書を新しいバイト先に出すことはできません。
年収103万円を超えると確定申告が必要になりますが、前のバイト先から源泉徴収票をもらい、今のバイト先の収入を計算した上で確定申告をする必要があります。
何かと手続きがややこしくなるため、年収が103万円を超えそうな人は籍を残さないほうが良いでしょう。
責任者が代われば無効になることも
籍だけ残すと言っても、何か特別な手続きを行うわけではありません。
※派遣バイトや登録手続きが必要なバイト先であれば、契約として継続されます。
その時の責任者の考えで籍を残すと言われただけで、実際は退職扱いになっていることも多いです。
なぜなら、働きもしない人を在籍したままにすると、各種社会保険や手続きがややこしくなるからです。
そのため、復帰するつもりでバイト先に相談に行ったら、新しい責任者に代わっており、話が通じなかったということもあります。
また、責任者が代わらない個人経営店でも、いつ復帰するかわからない人をずっと待つことはできません。
すぐに新しい人を入れないと人手不足になり、経営に響くからです。
もし、籍を残すことを承諾するのであれば、その後についてよく話し合うようにしてください。
頑なに拒否すると辞めにくくなる
籍だけ残すことにメリットを感じないからと言って、頑なに拒否すると辞めにくくなります。
バイト先は人手不足になった時の保険として「籍だけ残す」と言っているため、それを承諾できないのであれば困る(辞めさせたくない)からです。
そのため、籍だけ残すことを拒み続ければ、なんだかんだと理由を付けられて、なかなか辞めさせてくれないでしょう。
とはいえ、あまり深刻に考える必要はありません。
籍だけ残すと言っても、雇用保険に加入していなかったり、年収103万円以上になっていないのであれば、辞めた後にお世話になることはないからです。
上辺だけ承諾し、辞めた後は連絡を取らないようにすれば良いだけです。
よほど悪い企業でない限り、個人情報を悪用されるということもありません。
辞める口実に「また帰ってくるかもしれないから、籍は残してもらっても良いです」といい、穏便に辞めさせてもらうのもありです。
まとめ
バイト先から籍だけ残すと言われるのは、また働いてもらうことを期待されているからです。
そのため、いずれ復帰しても良いと思うのであれば、籍を残したまま退職しても良いでしょう。
籍を残しておくと、また働きやすくなるね
バイト先に籍を残しておくと、新しいバイト先を探す必要がないため、またバイトがしたくなった時に働くことができます。
関係も継続するため、就活の相談をしたり、正社員として誘われるかもしれません。
ただし、籍だけ残すといっても気遣って言われることが多いため、あまり期待しすぎてはいけません。
責任者が代わったり、新しい人材が雇用されれば無効になることもあります。
年末調整や保険の手続きに影響がなければ、あまり深く考えなくても良いでしょう。その方が辞めやすくなります。