バイトで嫌なことがあると、今すぐ辞めたくなりますよね。
給料いらないから辞めたい!
給料いらないと言えば、すぐ辞めさせてくれるのではないか?と思う気持ちわかります。
できることなら、何も言わずに辞めさせてほしいですよね。
しかし、給料と即退職は別問題であるため、辞められるとは限りません。
むしろ、余計に事態を悪化させて、辞めづらくなる場合もあります。
そこで今回は「バイトで『給料いらないから辞めたい』は可能なのか?」についてご紹介します。
給料を受け取らずに辞めても問題ないか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
バイト先は給料を払う義務がある
まず大前提として、バイト先は給料を支払う義務があります。
たとえ従業員から「給料はいらない」と言われても払わなければいけません。
仮に、給料を受け取ってもらえないと経理に不備が出ます。
使途不明金になるため、税理士や労働基準監督署に指摘される可能性があります。
「給料いらないなら辞めてもいいよ」となることはなく、拒否しても困らせるだけです。
バイト先は給料を支払う義務があるため、いらないと言っても支払われるでしょう。
給料の受け取りと即退職は別問題
「給料いらないから辞めたい」と言えば即退職できると思うかもしれませんが、給料の受け取りと即退職は別問題です。
民法627条では、「2週間前に退職申請すれば辞められる」と定められていますが、即退職は原則認められていません。
病気や事故など、やむを得ない事由に該当するときは認められますが、それ以外の理由で認められるケースは少ないです。
いくら「給料いらないから辞めたい」と言っても「ハイ、そうですか」とはならないし、「それ(給料)とこれ(即退職)とは別」になります。
「給料いらないから辞めたい」は効果的でないため、退職理由として納得させられないでしょう。
給料を受け取らずに辞めるのは可能
バイト先に給料を支払う義務はありますが、給料を受け取らずに辞めるのは可能です。
バイト先から「給料を取りに来い」と言われても、行かなければいいだけです。
無理やり給料を送りつけてくることはないし、店長が家まで来ることもありません。
明確に受取拒否をすれば、給料をもらわずに辞められます。
ただし、給料の支払いが銀行振込の場合は別です。
いくら給料の受け取りを拒否しても、銀行振込なら支払われる可能性が高いです。
そのため、「給料いらない」を理由にして、実際には受け取ることになるでしょう。
給料いらないから辞めたい理由
そもそも、どうして「給料いらないから辞めたい」となるのでしょうか?
お金を稼ぐためにバイトをしているのに、給料を放棄するのは本末転倒に感じますよね。
しかし、バイトをしていると「給料いらないから辞めたい」と思うときがあります。
どんなときにそう思うのか、よくある理由をご紹介します。
始めて間もない
バイトを始めたばかりの人は、「給料いらないから辞めたい」と思いやすいです。
初日は教えられることがほとんどになり、仕事らしい仕事はしません。
バイト先に貢献していないため、給料をもらうのが申し訳なくなります。
罪悪感から「給料いらないから辞めたい」と思ってしまうのです。
無断欠勤した
バイトを無断欠勤したときも、「給料いらないから辞めたい」と思いやすいです。
バックレはみんなに迷惑がかかるし、店長から厳しく追求されます。
場合によっては損害賠償を請求されるおそれもあり、今まで通りにはいきません。
「大事になるならこのままフェードアウトしたい」という気持ちから、給料を放棄したくなるのです。
ミスして迷惑をかけた
バイトでミスして迷惑をかけたときも、「給料いらないから辞めたい」と思います。
何度もミスを繰り返していると、給料をもらうのが申し訳なく感じるからです。
バイト中にお皿を割ったり備品を壊してしまうと、損害を与えることになります。
弁償したいという気持ちから「給料はいらない」と感じてしまうのです。
辞めさせてくれない
人手不足などが理由で辞めさせてくれない場合、「給料いらないから辞めたい」と思います。
給料を放棄すれば、バイト先が雇う理由がなくなるからです。
バイト先は「給料いらない」と言っている人を無理に働かせるわけにはいけません。
引き止めてほしくないという気持ちから、「給料いらないから辞めたい」と思います。
責任者と会いたくない
店長や上司と会わずに辞めたいときも、「給料いらないから辞めたい」となります。
会って退職を伝えると、怒られたり引き止められる可能性が高くなるからです。
しかし、責任者と会わなければ説得される機会を与えません。
スムーズに退職したいという気持ちから、「給料いらないから辞めたい」となるのです。
正式な手続きを踏んで辞めるほうが楽
「給料いらないから辞めたい」といえば、バイト先に辞める意思が固いことを示せます。
多くの人がお金を稼ぐためにバイトをしており、給料を拒否してまで辞めるのは異常だからです。
しかし、給料いらないから辞めたいと交渉するよりも、正式な手続きを踏んで辞めるほうが楽です。
これまで説明した通り、バイト先にとって給料の支払いは退職に関係しないため、「給料いらない」と言われても困ります。
むしろ、事態をややこしくさせるだけであり、揉める原因になるかもしれません。
辞めると言えば引き止められたり、怒られる可能性はありますが、退職の自由は誰にでもあります。
給料を放棄しなくても辞められるため、正式な手続きを踏んでから辞めるようにしましょう。
まとめ
「給料いらないから辞めたい」といえば、すぐ辞められるイメージがあるかもしれませんが、給料の支払いと即退職は別です。
法律上では、2週間前に意思表明することが義務付けられているため、慎重に行動してください。
退職に給料は関係ないんだね
バイト初日に大きなミスをすると、「給料いらないから辞めたい」となりがちです。
お皿を割ったり、備品を壊したりすると、給料をもらうのが恥ずかしくなるでしょう。
しかし、従業員が給料を拒否しても、バイト先は支払う必要があります。
給料いらないから辞めたいと言われても、ハイそうですかと認めてくれません。
逆に揉める原因にもなるため、正式な手続きを踏んでから辞めるようにしてください。
きちんと退職手続きを取ることで、後腐れなく辞めることができるでしょう。