待ちに待った給料日なのに、バイト代が思ったより少ないとつらいですよね。
計算した金額より少ない気がする…
何回計算しても金額が合わないと、不安になる気持ちわかります。
だからといってお金のことは聞きづらいし、どうすれば良いかわかりませんよね。
実は、バイト代が少ないのには理由があります。
事情があって少なくしている場合もあるため、バイト先が間違っているとも言い切りません。
そこで今回は「バイト代が少ない理由・可能性」についてご紹介します。
バイト代が少なくてお悩みな人は、ぜひ参考にしてください。
税金が引かれている
バイトでも一定の収入があることで税金が引かれます。
税金が給料から引かれていることにより、バイト代が少ないと感じるのです。
税金には色んな種類がありますが、バイトで引かれる税金は主に「所得税」になります。
労働して稼いだ額に対して課税される税金であり、一定の収入がある人は必ず引かれることになっています。
基準として、年収103万円以上・月8万8000円以上が目安となります。
この金額を超えるとバイト先は源泉徴収といって、給料から所得税分を天引きします。
税率は5~45%と幅広いですが、一般的なバイトで得られる収入で想定すると、おおむね5~10%程度引かれると覚えておけば良いでしょう。
給料が多くあればあるほど税率も変わるため、納める学も多くなります。
そのため、計算上の金額と実際に支給された金額が異なるのです。
税金については以下の記事でもご紹介しているので、詳しく知りたい方はご覧ください。
休憩時間分が引かれている
1日8時間働いている場合、8時間×時給で日給を計算しがちですが、注意が必要です。
バイトでも労働時間が6時間以上になると休憩を取る必要があり、8時間勤務だと少なくとも1時間程度の休憩を取る必要があります。(労働基準法第34条にて)
そして休憩は「労働をしていない時間」だと見なされるため、基本的に給料を支給しなくても良いことになっています。(労働基準法第11条にて)
つまり、時給の計算は以下の考え方になります。
8時間勤務の場合
勤務時間(8時間)- 休憩時間(1時間)=労働時間(7時間)
労働時間(7時間)×時給(1000円)=7000円
上記の例だと1000円の違いがあるため、休憩時間分の時給が減っていることで「バイト代が少ない」と感じるのです。
なお、バイト先によっては、休憩時間分も労働時間に含めて天引きしない場合もあります。(長時間労働が必要な仕事や、休憩時間が定まっていない仕事など)
仕事が忙しくて休憩が取れなかった日もあると思います。
頑張って仕事していたのに、一律に天引きされるのは納得行かないですよね。
そんな時は「休憩していない」という証拠を残すのが大切です。
メモを取ったり、業務報告書に記載するなどして、証明できるようにしてください。
実際に労働したことを証明することができれば、その分の給料を支払ってもらえるでしょう。
時給の計算が違う
バイト先の就業規則によって、時給の計算が異なる場合があります。
あなたはタイムカードを押すまでの時間を時給として計算しているのかもしれませんが、バイト先によっては、10分・15分など区切って計算している場合があります。
例えば、18時9分にタイムカードを押したとします。時給が1000円なら9/60である約150円分が振り込まれていると思うかもしれません。
しかし、時給の区切りが「10分未満は切り捨て」というルールであれば、端数は削除されて18時までとして計算されます。
そのため、思ったよりバイト代が少ないという感覚になってしまうのです。
ただし、これは違法行為になります。
原則として、労働時間は1分単位で算定しなければいけないという決まりがあるからです。(労働基準法24条にて)
そのため、10分・15分などと単位を決めて切り捨てるのは、労働基準法違反に当てはまります。
一方で、現実問題として一概にバイト先が法律違反を起こしているとも言い切れない部分があります。
たとえば開始のタイムカードを押してから服を着替えたり、雑談をすることもあると思います。
従業員側の問題で、遅刻や早退など端数がでる場合もあるでしょう。
そんな「働いていない時間」を考慮すると、明確な労働時間を把握できないことから、10分・15分と多めに区切っているという実情があります。
いずれにしても時給の計算がどうなっているのかは、採用される前に確認しましょう。
旅行代などが天引きされていた
バイト先によっては「慰安旅行の積立金」として、給料から天引きしている場合があります。
旅行以外にも忘年会や新年会、送別会などをするために従業員から天引きしているケースがあるでしょう。
勝手に天引きされているなら問題ですが、あらかじめ労働契約を結んでいる場合、違法行為ではありません。
理由があって天引きするのであれば、雇用契約書にも記載されています。
雇用契約書を確認した上で、何に使われているか把握してください。
ちなみに、旅行に行かなかった時は、積立金を返してもらうことができます。
バイト先はあくまでお金を預かっているだけであるため、返金する義務があります。
体調不良などで旅行に参加できなかった際は、積立金の返金を要求しましょう。
罰金分が天引きされていた
ドラマや漫画などで店長が「今度、皿を割ったら弁償してもらうからな!」と従業員を叱る場面を見たことはないでしょうか?
物語の印象から「罰金されても仕方ないな」と諦めている人も多いと思います。
しかし、罰金のために天引きするのは違法行為になります。
法律上では従業員がミスを犯しても、それを罰金・天引きという形で責任を取らすことはできません。(労働基準法24条1項「賃金全額払いの原則」にて)
ただし、遅刻や早退、欠勤は別です。
これらの時間分を天引きしても不当な賃金カットには当たらないため、法律違反とはされていません。
1時間遅刻したのなら、1時間分の時給を天引きするのは認められることもありますが、それ以上の罰を与えて金額を上乗せするのは違法です。
減給や制裁については就業規則に明記する必要があるため、そのような記載がないか確認しましょう。
経理の計算が間違っている
単純にバイト代を支給する際の経理の計算が間違っていた、ということもよくあります。
全てのバイト先がデジタル化に対応しているわけではなく、経理担当の人間が手作業で計算しているところも多いです。
紙に記述される方式のタイムカードであれば、時間を全て集計してから計算をしなければいけません。
人間ですから、手作業であれば計算ミスも出るし、間違うこともあります。
むしろ、間違うことがあると思っていた方が良いです。
いつもと給料が違う・計算しても合わないのであれば、遠慮なく相談しましょう。
タイムカードを押し忘れていた
バイト先がタイムカードで勤怠管理をしている場合、タイムカードの押し忘れによる給料の未払いが発生する可能性があります。
タイムカードの押し忘れは自分の不注意が原因であるため、給料を支払ってもらえないのではないか、と不安になるかもしれません。
しかし、法律ではタイムカードの押し忘れを欠勤扱いにすることはできません。
従業員の労働時間を把握するのは雇用者側の責任でもあります。
実際に勤務していたのに、タイムカードの押し忘れでバイト代を払わないのは違法です。
そのため、通常はタイムカードを押し忘れてもバイト代を支払ってもらえます。
もし、後からタイムカードの押し忘れに気づいた時は、すぐバイト先に相談してください。
きちんと報告すれば修正してくれるため、次のバイト代に合算してくれるでしょう。
バイト代を正しく把握するための対処法
バイト代が少ない理由・原因はわかったものの、何も対処しないと泣き寝入りしやすいです。
バイト先は正しい賃金を支払うことが法律で定められていますが、だからといって絶対に間違いがないとも言えません。
何も主張しないとバイト代が少ないまま、うやむやにされる恐れもあります。
そこで大切なのが「バイト代を正しく把握する」ということです。
銀行振込にしろ手渡しにしろ、バイト代が支給されたら必ず正しい金額であることを確認しましょう。
一般的には、以下の公式で計算してください。
自分が働いた日数×勤務時間×時給=給料
その上で、上記でご紹介したように休憩時間が引かれていないか、旅行代金が天引きされていないかなどを確認しましょう。
また、労働時間の証明も大切になります。
いくらタイムカードを使っているとは言え、押し忘れや機械の故障も考えられます。
タイムカードに頼り切りになるのではなく、勤務時間をメモしたり、スマートフォンのスケジュール機能を使って記録しておきましょう。
紙に記録するタイムカードの場合、スマホでタイムカードそのものを撮影するのも有効です。
確たる証拠として残せるため、改ざんのしようがありません。
このような防御策を行うことで、バイト代を正しく把握することができるようになります。
バイト代が少ないなど、万が一のトラブルにも対応できるでしょう。
まとめ
バイト代が思ったより少ない場合があります。
働いた分をきちんと支払ってもらうためにも、間違いがないか確認してください。
あらためて給料明細を確認しよう
バイトでも所得税や雇用保険などが引かれている場合があり、基本的には給料明細に記載されています。
想像以上に引かれている場合もあるため、「話が違う!」と腹が立ってくるでしょう。
しかし、バイト代には額面に現れない部分もあります。
きちんと計算せず、「バイト先に誤魔化されあ!」と決めつけてはいけません。
店長に質問したり、インターネットで調べたりしながら、給料の在り方を学ぶようにしてください。
バイト代を正しく理解することで、買い物や旅行などの出費計画も立てやすくなります。
バイト代が少なくなった理由がわかれば、安心して働けるでしょう。