仕事内容
産地から運ばれてきたみかんをネットに入れ、スーパーの各店舗に出荷する工場でバイトしました。
ラインで運ばれてきたみかんを、ひたすらネットに入れる仕事です。
右側に箱から出された大量のみかんがあり、左側にはベルトコンベアーあります。
前には大きい筒があり、ネットをその筒に一度通して筒の中に決められた数のみかんを均等に入れます。
ネットを筒から出してみかんが出ないようにネットの上部をテープで止め、ベルトコンベアーに流していました。
応募したきっかけ
友達とスキー旅行に行く約束をしていたのですが、両親にお金の工面をお願いたところ断られたからです。
どうしようか困っていたときに、高校の同級生が学校に内緒でバイトしていることを知り、自分もやってみようという気持ちになって応募しました。
苦労したこと
単純作業で隣の人との会話がなく、見えるところに時計が無かったため、時間の経過が全くわかりません。
せめてラジオや音楽を流してくれたり、工夫してくれても良いのではないかと思っていました。
苦労を乗り越えた秘訣
早く目標の作業が終わり、予定の時間より早く上がれるのに予定の時給が貰えるという経験をしました。
それからは言葉を交わさないものの、みんなで早く終わらせて早く上がろうという気持ちになったのを覚えています。
目標があった分、作業がいくぶんか苦痛ではなくなりました。
思い出に残っていること
短期の期間限定バイトだったのですが、最終日の休憩時間にラーメンをごちそうになったのが良い思い出です。
当時、私は高校一年生で、相手の方は恐らく自分の父親くらいの年代に見えました。
なぜバイトなんだろう?と不思議に思っていましたが、ラーメンを食べながら理由を話してくれました。
元は正社員で働いていたようですが、父親が病気になり、介護のために退職せざるを得なくなったそうです。
いざ退職すると正社員はおろか、年齢的にバイトもなかなか見つからなくて苦労しているとのことでした。
今考えれば、その人も余裕が無いはずなのに、高校生だった自分にラーメンをごちそうしてくれ、励ましてくれたのだから、立派な方だったと思います。
今はその方と同じ年代になりましたが、同じ境遇になった時に自分に同じことができるか自信は無いです。
色々と考えさせられる経験であり、とても思い出に残りました。
バイトをした感想
当時の時給は780円でしたが、自分でお金を稼ぐ経験が初めてだったので、お金のありがたさを実感しました。
仕事の厳しさとお金の大切さを知り、買い物をするときは必ず一回考えるようになりました。
一切無駄使いをしなくなったし、貴重な経験ができたと思います。
編集者のコメント:
工場のラインは同じ作業の繰り返しですが、目標設定することで取り組む姿勢が変わります。ゲームのレベル上げも単純作業ですが、目標があるから頑張れるのと一緒ですね。また、ラーメンを奢ってもらった話は人生を考えさせられました。高校生の体験者さんにとって、忘れられない思い出になったのではないでしょうか。